5月1日 (金) お遍路6日目
海風と車の交通が多かったため、あまりきちんと眠れなかった夜が明けて、海に朝日が昇るのを見ながらパンを食べました。
昨日マメが出来かけていたので、テーピングして足の裏をアスファルト対策してから、6:00出発。
またひたすら55号線を歩きます。
トンネルを越えると、そこは東洋町。高知県入りです!
昨日歩けたら到着する予定だった明徳寺にお参りしました。
お滝場もあって、滝修行もできるようです。
こちらの通夜堂は、本などもあり居心地が良さそうでした。
お遍路行程の計画で、23番薬王寺から2日目には最御崎寺に到着したかったので、自分に発破をかける意味で、最御崎寺の宿泊施設 「お遍路センター」に電話をかけ、宿泊の予約をしました。
その最御崎寺のある室戸岬が、霞むくらい遠くにうっすらと見えます。
今日、あそこまで歩かなきゃいけないのかとおもうと、気が遠くなりました。
まずは目の前のことを考える。
この海岸沿いの道路は、歩行者はこの日わたし以外に見かけず、車ばかりが脇をビュンビュン通ります。
海の反対側は山の斜面で、あるのは道路のみ、お店どころか自販機やトイレすらありません。
途中、突然現れるお堂にやっと日陰があり、休憩してポカリなども飲んでエネルギー切れにならないよう気をつけました。
暑いので、汗で水分が出てしまったからか、なんとか5時間くらいトイレに行かずに持ちましたが、佐喜浜で「みかど食堂」さんの看板を見たときは、砂漠でオアシスを見つけたような心もちでした。
佐喜浜にはスーパーや商店もあるので、ここでパンとポカリを追加して、また歩き始めます。
夫婦岩に到着しました。
ここで写真を撮っていたご夫婦がいて、旦那さんが「方向が一緒だから岬まで乗っていくか?」と言ってくださりましたが、奥さんが「でも歩き遍路さんでしょ?」とおっしゃっていて、わたしは今まで焼山寺などキツいところを車のお接待うけてきてしまったので、この室戸岬までの辛いアスファルトは頑張ろうとおもい、そのままお別れしました。
車のお接待に対して、人によって色んな考えがありますが、わたしは
「お接待をしてくれる人にとって、あなたはお遍路さんであり、お大師様だから、あなたに対する施しは仏に対する施しだ。
その相手の好意や功徳を、自分の希望や考えのために断るのは良くない。
それは、あなたの他に疲れているお遍路さんがいても、断られた人は次から声をかけづらくなるという点もある。
もしどうしても歩きたいなら、ちょっと乗せてもらってから、”歩き遍路なので、この辺りで結構です”といって降りればよい」
と言われた言葉が胸にあって、向こうから言ってもらえたお接待は極力断らないようにしてきました。
ただし、一応20代女子の一人旅なので、人を見て、ヤバそうな空気や男性2人組だったら車に乗るのは遠慮しようと考えてました。
今回は、奥様が歩き遍路さんを車に乗せるのは、意思を汲んでやめたほうが良いと思われていたので、そのままでこちらからは頼みませんでした。
お遍路さんの中には絶対に歩きたくて、車は断る!と決めている方もいて、それは各自の自由だしお遍路をするに至る理由も様々だし、良いとおもいます。
ただ、お遍路さんの姿をしている限り、自分は個人としてより”お遍路さん”として見られているということ、
毎回お寺や大師堂で読む般若心経は
“色んなしがらみやこだわりにとらわれるな、そんなものは自分であると思っているだけで本当は空なんだ”
と言っているようにざっくりとわたしは理解しているので、
せっかくのお遍路ですから、自分ルールがあったとしても、それにとらわれずに、柔軟に受け止めて、感謝の気持ちをもつことが大切かもしれないなとおもいました。
さて、そうして歩いていると、車では通り過ぎる風景もじっくり観察できて、なかなか発見があります。
高知県のお家は、各家の前にコンクリートの壁があります。
四国の他の県では見なかったとおもいますが、海のあるところではよくあるのかな?
ひたすら海岸沿いを歩きます。
立ち止まりそうになる自分との戦いです。
充電ができる休憩所や、会社の敷地にお遍路さんの休憩所とトイレを作っているところで休ませてもらいつつ、
ようやく青年大師像が見えてきました。
空海さんが籠って修行したという御厨人窟に入りました。
中はひんやりしていて、空気が違います。
ちょっとウカツに近寄れない、神聖さがちょっと強い場所でした。
洞窟の中からみた海は、とても綺麗。
エボシ岩など奇石を色々見て、しばしボーッと押し寄せる太平洋の荒波のパワーを感じました。
最後にエライ階段を上がって、ラストはキツい山道です。
この日ここまででもう40キロ近く歩いていてヘトヘトで、この登りで水も飲み干してしまい、本当にもうムリかもとおもいました。
しかし、登らないことには辛さも終わらない。
ただ無心に「南無大師遍照金剛」を一足一足進めるたびに唱えて、もう空海さんにすがる気持ちで登っていると、自分ではムリだとおもっているのに、何故だか足が進みます。
この辛い登りで、歩き遍路をした人がみんな経験している、”途中で空海さんに助けてもらって、不思議と歩けた、荷物が軽くなる瞬間があった”というのがわたしも感じられました。
そうして辿り着いた最御崎寺の遍路センターの宿坊は、風呂7:30まで、夕食8:00までで、汗びっしょりになった身体を綺麗にしてから、豪華な食事をいただきました。
高知の鰹のたたきは美味しいし、りんごのてんぷらも初めて食べたけど美味しかったです!
部屋にも仏像があり、4階にも大きな仏様がいて、仏さまの下で眠るとおもうと安心しました。
疲れていたのかぐっすり就寝。
洗濯200
乾燥100
遍路センター 1泊2食6500
パン433
ポカリ150
水110
そうめん450
計 8040
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