1/7の初寅の日に、毘沙門堂門跡にお詣りにいきました。
山科駅から徒歩で15分。
坂を上って行き、最後にこの階段があります。
毘沙門天堂は、皇族か住職になった門跡寺院です。
前身の出雲寺は文武天皇の勅願をうけて行基が開きました。
その後、廃れたのちに日光東照宮をデザインした天台宗の僧侶天海によって再興されます。
そのため、寺院の御本尊右横には徳川家康の像があり、寺院には天皇家の菊の御紋と、徳川家の葵の紋が両方かかげられている、珍しいお寺です。
お寺の唐門も東照宮ににていて、朱色の神社風のデザインでした。
また、門が低くくなっているのは、”中で祀られている徳川家康に頭を下げさせるため”と言われています。
本堂の中には、24時間でひとまわりするお香があります。
昔はこのお香がどれくらい燃えたかで、僧侶は時間を把握していたとのこと。
現在は夜はつけていません。
仕事のことで悩んでいるので、毘沙門天さんに喝を入れてもらう気持ちでお詣りしました。
その後は、霊殿、宸殿の拝観にまわりました。
本堂と繋ぐ霊殿には、龍の天井絵がありました。
どこから見ても龍がついくるように見えます。
円の縁が青いのは、昔この龍が夜な夜な池の水を飲みにいき、たたみが濡れていたため水を表す青で囲ったところ、おさまったとのこと。
この部屋は歴代の住職のお位牌があるので、ちょっとヒヤッとした空気です。
宸殿は門跡寺院ということもあって、御所にあった旧殿を移築されたものです。
襖絵が面白いです。
見る角度でたみが絵の人物の体制がかわり、動いているように見えます。
冬の風景を描いて、夏に良く使って涼しさを感じた”夏の間”
わたしが1番衝撃を受けたのは“鳥の間”です。
梅にひよどりではなく山鳥をとまらせるという、通常だと合わない組み合わせを描くことで、この部屋に通された人に暗に”場違い”と伝える部屋です。
「こちらでお待ちください」とこの部屋に通された人は、住職には会えません。
誰も呼びにきません。
自分でこの部屋に通された意味に気づくしかないのです。
気づかない人は延々と待ち続けるだけです。
京都らしい、”いけず”だなあ~と思いました。
わたしは言葉を額面通りに受け取るので、会ってもらえるものとおもって延々待ち続けるタイプです。笑
お庭の池は、岩と水の動きで漢字の”心”の字になっています。
また弁天様のお社もありました。
毎日14時から行なっているというお不動様の護摩法要を見て、から外に出ました。
見学中に降っていた雨が、ちょうど小ぶりになっています。
初寅のお祭りで、美味しい甘酒を振る舞っていただきました。
生姜が入っていて、身体があたたまります。
毘沙門堂は門跡寺院の風格を残した、面白いお寺でした。
襖絵など、当時のものがそのままはまっているので、見ごたえあります。
ぜひ山科に行った際には立ち寄って見てください。
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