月山登拝 山伏体験塾 二日目


修行中は山伏言葉?を使います。

まず初めに教えていただいたのは、「受け給う」という言葉。

返事の「はい」の代わりに「受け給う」、何か言われたらとにかく最初に「受け給う」。

この言葉にあらわれているように、とりあえず一旦受け入れるって姿勢が、わたしはすごく好きだとおもいました。

 

 

山伏の考え方の魅力の1つは、何でも受け入れる懐の深さと、それによる世界の豊かさであるとおもいます。

修験道は古来からあるアニミズムと、原始山岳信仰、神道、仏教、密教、道教が混じり合って出来たものです。

良いものはなんでも取り入れちゃえっていうカオスっぷりがすごいです。

でも、その何かに縛られないで良いものは良いと認める、受け入れて大きくなる力、それがすごく自由で豊かで優しくて、山伏っていいなああああとおもうんですよね。

 

 

出羽三山の修験も、もともとは神仏習合の神道と仏教が入り混じった修験でした。

でも、明治政府の神仏分離令によって廃仏毀釈が進み、出羽神社にある五重塔も打ち壊されそうになったそうです。

神道になることで修験を存続させてきたその当時の先達たちが、そのどうみても仏教建築の塔を「これは神社の一部です」

と言い張って、打ち壊しから守ったという話を、山伏体験塾の先達さんからききました。

そのときに思ったのは、明治に修験禁止令が出されたり無理やりな神仏分離があったりして、修験道にはほんとうに過酷な時代があったにもかかわらず、こうして今を生きるわたし達がやり方に多少の違いはあっても修験道を体験できることは、

その時の山伏の先達さんたちが頑張ってこの道を残そうとしてくれたからで、その努力と決死の覚悟をおもうと、本当にありがたいなあということです。

 

他にも、瞑想を床固め、食事を壇張りと言ったりします。きっとこれにも意味があるんだろうけどわからない笑

 

 

さて、二日目は月山抖そう行がメインでした。

4:00 法螺貝の音で起床。スマホも目覚ましもないので起きれるかドキドキでしたが、緊張していたからかすぐ目が覚めました。

一回目の法螺貝で起きて、10分後の法螺貝で集合して月山へ。

 

バスで7合目くらいまで登って、そこから頂上までの登山でしたが、これがなかなかキツかったです。

まず、登山靴での登山の経験はあっても、岩の形が足の裏に伝わってくる地下足袋での山歩きはまた全然感触が違いました。

そして、標高1984mを上着もなく白装束一枚で9月に歩くのは寒かったです!!普通の登山客は軽めのダウンくらい着ていたような・・・笑

昔の人はみんなこんな装備で山に登っていたんだからすごいですよね。

でも最新の登山用品にはちゃんと意味があるんだなと再確認もできました笑

 

 

月山は別名「ガス山」と言われるくらいガスっていることが多く、この日も天候はイマイチでみごとにガスっていました。

稜線の左右が真っ白の霧で周りの景色が見えなくなっていて、縦に長い行列が黙々と白装束で歩んでいる姿は、

まさに「あの世」ってこういう風景かもしれないと思うような、神聖で少しもの寂しい感じがする光景でした。

 

image

 

頂上の月山神社で御朱印をもらってきました。

 

 

下山後は滝うちです。

本物の滝ではなく、整備された川の中で行ったのですが、めっちゃ寒くて凍えました。

「えいっ」と気合をいれて水に打たれます。そこで座って瞑想。さすがに何も余計なことは考えずに、

だんだん寒さも感じずにいられました。

 

滝から出たら、滝行用の白衣を着替えるのですが、近くの温泉施設の更衣室だけを借りて、温泉を横目で見ながら

温泉に入れずにバスに戻るのが本当に辛かった!!まさに誘惑との戦いです。

そして、可愛い男子高校生の褌姿が眩しすぎてガン見しないようにするのも誘惑との戦い、修行でした笑

 

19:00夜は天狗相撲。

これも十界修行の1つですが、わたしたちは大いに盛り上がって楽しい雰囲気で、良い勝負だと応援も白熱して、

相撲という原始的なとっくみあいという戦いの面白さを感じました。

 

その後は雨が本降りになり、夜間の抖そう行が行えないということで、

20:00 忍苦の行

これは南蛮燻という特別に調合されたお香をモクモクに炊いた部屋に閉じ込められて、その中で三語や三山拝詞を唱えるという修行です。

唐辛子などが入っているのか、これがめちゃくちゃ喉と目にキます!!さすが先達さんは普通に唱えていましたが、わたしは口を開いた瞬間にやばい!!!と喉がやられて、全然唱えられませんでした。

ポジション取りが大事で、炊いている鉢が後ろの方にあるので前側に座ってできるだけ下を向いて、呼吸も静かに行います。

あまりに辛いので、宝冠の垂れているところで口を抑えてしまいました。

コツは、とにかく静かに呼吸して、絶対に咳き込んではいけないということ。

一度咳き込むと、どんどん燻された空気が肺に入ってきて咳がとまらず、エンドレスで辛い状態になります。

ほんとうに呼吸ができず、無理になった場合は外に出ることができますが、再び入ることは出来ないので、

修行を全うしたいとおもうとみんな頑張るし、なにより香を炊いている釜が出口付近にあるので、出るときに一番強烈なのを吸うことになる・・・笑

 

 

燻が終わって、外に出るとみんな涙ボロボロ鼻水ダラダラです。

この日は、夜の抖そう行ができなかったのもあり、先達さんが大サービスで二回目の南蛮燻、燻大盛りでやってくれました。

最後なので、宝冠のズルはしないで、出来るだけ祝詞も唱えようとしましたが、本当に呼吸ができなくなって死ぬかとおもいました。

部屋の外にでて、清浄な空気を吸ったときに、空気のありがたさ、酸素が普通に吸えることの素晴らしさが身にしみてわかりました。呼吸ができるって素晴らしい!!

 

22:00宿入り

二度の南蛮燻で燻されまくった白衣が唐辛子臭くて、布団に入ってもまだ燻されているように感じながら就寝しました。

 

 

 

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5件のコメント

  1. にぎはやひ より: 返信

    興味深く何度も読ませていただいています。文中で紹介くださっている「山伏と僕」も買って読みました。そして今、私は、山伏修行体験についての関心が膨らんでいます。ところで、月山への抖藪は羽黒山のそれに対して標高差が2倍ほどあるように思いますが、苦しさもやはりそれと同じ程度厳しいのでしょうか。地元に標高差がちょうど羽黒山ほどの山があるので登ってみたところ、なんとか頂上まで行けたのですが・・。

  2. にぎはやひさん
    はじめまして!
    コメントありがとうございます。何度も読んでいるとのお言葉、嬉しいです。
    また、山伏に興味がある人が増えているのも嬉しいです~~!
    羽黒山とおなじ高さの山に登られたということで、その山へ行こうという気持ちをもつ、実際に実行することが山伏になるってことだと思いますよ~!
    山伏体験塾での月山抖藪は、途中までバスをつかっているので、体力的に厳しいというより、白装束の寒さと、地下足袋での登山の大変さが記憶に残っています。
    羽黒山と同じ標高の山だと、木々も沢山生えていますが、月山などの2000メートルに近い山は、山頂近くは森林限界で高い木がなく、岩場ばかりです。
    なので、雨風を遮るものがないので、気温や天候の変化がもろに響いてくると思います。登山の情報を調べて、雨具など準備することが必要かとおもいます。
    夏の時期は、個人で先達さんをたのんで一緒に入山できるそうなので、その山を知っている方と一緒に登られると安心だし学ぶことも多くて良いかなとおもいます。
    いでは会館の山伏体験は、一般の体力の方ばかりが集まるので、参加しやすいしちゃんと月山山頂までいけるコース配分でしたよ。
    ぜひ羽黒山、月山、湯殿山を登ってみてくださいね!

    1. にぎはやひ より: 返信

      アドバイスくださりありがとうございます。明日鶴岡に行きます。山伏修行の抖藪をイメージしながら、羽黒山に登ってみようと思います。

  3. にぎはやひ より: 返信

    その後ですが、昨年8月、ひとりで羽黒山に登ってみました。そして1年間近くの山に登って体力をつけ、今年8月、念願の出羽三山の山伏修行に参加しました。なかなか大変でしたが、貴重な体験ができました。「山伏ガールの徒然お遍路日記」を読ませていただいたおかげで、修行への情熱を高めることができました。ありがとうございました。

    1. にぎはやひさん
      素晴らしい報告ありがとうございます。
      山伏修行されたとのこと、おめでとうございます!
      そんなコメントをいただけると、ブログ書いてきて良かったなあと励みになります。
      これからも宜しくお願いします。

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