「修験道っておもしろい!」「修験道がつくった日本の闇」

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書きたい記事が溜まっているのですが、なかなか時間がとれずブログを更新できていません💦

 

忘備録がわりに最近読んだ山伏に関係する本を紹介したいとおもいます。

まずはこちら。

修験道のメッカ、熊野と吉野を結ぶ大峰奥駆け修行で有名な吉野の金峯山寺執行長であり、金峰山修験本宗宗務総長でもある田中利典さんによる、わかりやすい言葉で書かれた修験道の魅力を伝える一冊です。

言葉は一般の人々にむけて、やさしいですが、言わんとされていることは修験道の本質をついているものです。

前半は大峰奥駆け修行について、日程や自分が体験して感じた事など詳しく書かれているので、参加を考えている方にはとても参考になるとおもいます。

熊野古道と紀伊の霊場の道が世界遺産になったことについての見解は、前々回などでわたしが和歌山を旅して感じたこととすごく似ていて、読みながら「そうですよね!!」と勝手にシンパシー感じました。笑

「修験の教えは実修実験。風を拝み、樹を拝み、空や陽に祈りを捧げつつ、山谷を駈ける教えの中に、鬼が巣くう人間の弱き心を懲らしめ、退治する力があるのだ。

役行者の教えにある『身の苦によって心乱れざれば証果自ずから到る』とは、まさに人間力の回復に目覚める教えなのである。

 

<中略>

修験道は多くのことを日本の歴史に残してきた。そして今後も多くのことを担える可能性、底力を秘めている。

但し秘めているだけでは何にもならない。多くの人に知らしめ、用いられなければ意味がないのである。」

修験の本場の山伏の方のこういう言葉には励まされます。

もちろん、修験という性質上、文字で記すことには限界があったり、他言無用の修行でネット上にアップするのが適切でない大切なものもあります。それらには配慮をしたうえで、昔のように巷に沢山修験者や在家信仰者である優婆塞の姿があった時代とは変わって、明治期の断絶を挟んだ今、各地で再興している修験道について多くの方に知ってもらう努力は必要だとおもいます。

それが本であり、ブログであったりするわけです。わたしのこんな未熟なブログでも、ちょっとでも山伏や修験道に興味を持ってもらうきっかけになったらいいなあ、こんなことをしている人がいるんだなあと知ってもらえたらいいなあと思っています。

修験の本などは用語が難しかったり、興味のある人以外におススメするのが難しいものが多い中、ぜひいろんな方に読んでほしいなとおもいます。

同じく読みやすいのは、わたしが羽黒修験に参加するきっかけにもなった、イラストレーターの「僕」が出羽三山で山伏になる「山伏と僕」なども良いとおもいます。

 

 

もう一冊は、古代史の謎についての著作が多い、関裕二さんのこちらの本です。

正直、関さんの本は理論の飛躍があったり、いくつかある著作はタイトルや切り口は違っていても、結論は同じ主張したいこと(大化の改新の本当の目的、天智天皇と天武天皇の立場、蘇我氏の正体、継体天皇や雄略天皇に対する見方など)に集約していくので、何冊か読むと“またその主張、もうわかったよ~!”と言いたい気になるのですが(笑)、それでも歴史の謎解きの盛り上げ方が上手いので、読んでいて楽しいです。

専門書よりも書き方が問いかけながらで興味を引くので、読みやすくもあります。

 

今回は明治政府がなぜあれほど執拗に修験道の廃絶を行ったのかを切り口に、“葛城山”という中央に対して敗者やまつろわぬものの受け皿となった土地と反骨の修験道精神の背景にあるものを解き明かすという展開になっていて、興味深かったです。

ただ、前半で盛り上げるだけ盛り上げて、後半のほうはいつもの蘇我氏と出雲の関係に筆を割いていて、肝心の最後の「第五章 反骨の修験道誕生」が分量も少なく、考察ももう一歩なかんじがして肩透かし感がありました。日本に密教を持ち込んだ空海さんについてもっと触れてもいいだろうけど、著者の興味はやっぱり古代史の謎の部分なんだなあとおもいました。

でも、そこからどんどん興味を広げて、これだけ著作を書かれているのはすごいですよね。

 

古代豪族の関係や、祟りについてなど古代史のロマンがつまったワクワクできる一冊です。ぜひ読んでみてください。

 

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