蝶ヶ岳から常念岳へ 北アルプス槍・穂高連峰の雪化粧


北アルプスで働いていたとき、10月の連休の終わり、お客様が少なくなってから、下山の前にお休みをいただいて蝶ヶ岳~常念岳~大天井岳を歩きました。

 

10月に入ると、山はもう季節の移り変わりが早くて冬になっており、朝夕はダウンを着るほど寒く、穂高連峰にはうっすら雪が積もったという知らせが入ってきました。

なので、当初は憧れの穂高に登るつもりでしたが、雪がある穂高は怖いなとおもい、行き先を変更。

 

まずは槍ヶ岳と穂高連峰への分かれ道、横尾山荘へ向かいます。

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ここから、ひっそりと蝶ヶ岳方面の看板があり、樹林帯を登っていきます。

 

けっこうしんどい登りだな~とはあはあして休憩したいな~と思う頃に、槍見台という木々の間が抜けて、槍・穂高が見える場所につきます。

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おお!真っ白!!

思わず歓声をあげてしまいますね。なんで槍ヶ岳ってこんなにかっこいいのでしょう。

ずっと働いていた山小屋からも天気が良いと見れていたのに(笑)、こうして何度見ても感動して、飽きることはありません。

 

その後はまたこんな樹林帯の中を進みます。

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シーズン終わりかけで、他に登山客の姿もあまりなく、静かで孤独です。が、それがいい笑。

さっきの美しい山並みはまた見えなくなってしまいましたが、これから向かう蝶ヶ岳は槍・穂高連峰を眺めるには最高の場所なのです。

このきつい登りを登りきれば、さっきより美しい山並みが見れるはず!という期待をモチベーションに、一人なので気兼ねなく自分のペースで登っていきます。

 

そして、ついに登りきりました!!蝶ヶ岳山頂、2677m。

振り返ると、後ろにはこの絶景が。

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右の槍ヶ岳から南岳を通って、左の穂高のほうに行くのに凹んでいるところが難所の大キレットです。そこから、北穂、奥穂、前穂とつながっていきます。

穂高はまだ登れていない憧れの山です。奥穂高岳の山頂には祠があります。いつか登ってお参りしてみたいとおもいます。

そう思わせるような、神々しい山の姿です。憧れの山のこんな素敵な姿をみれて、ますます登りたい気持ちが湧き上がりました。

 

前方に目をやると、これまた100名山のひとつ、焼岳や遠くに乗鞍岳も見えます。

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それから、山の尾根を挟んで反対側には、安曇野の町が広がっています。

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富士山も見えます。高い山からみると、いつも見上げるばかりの富士山が思ったより下のほうに見えるので、ちょっと自信がもてなくなりますが、それくらい自分も高いところにいるってことですよね。神さまの視点ってこんなかんじなのかな~とおもいました。

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蝶ヶ岳のこの展望は“瞑想の丘”という名前がついているのも頷ける景色です。

 

山頂でお昼にします。11:00頃で、おにぎりを食べながらちょっと悩みました。

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というのも、常念岳に縦走するのは体力的にも時間的にもきついかな、とおもっていたので最初は蝶ヶ岳ヒュッテに泊まる予定だったからです。

でも、ここまでコースタイムよりペースが速くこられて、当初蝶ヶ岳12:00着の予定が1時間も早くつけたこと、ここで泊まるとなると体力的にも物足りない気持ちになったこともあり、よし!と決意して、出発することにしました。

 

蝶ヶ岳ヒュッテで予約をキャンセルし、槍穂高連峰の手ぬぐいを購入して先に進みます。

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しばらく美しい山並みを見ていられましたが、またすぐ樹林帯の中へ。

途中、水が凍っていて気温の低さを実感します。

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ここを下って、また目の前にそびえるアレを越えて行くのか~とおもうと、早くもげっそりしてしまいます。

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蝶ヶ岳~常念岳の道は、けっこうアップダウンがあり、景色も代り映えしないのに地味に疲れるというかんじでした。

 

しかし、たまに展望がひらけるところがあります。

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先ほどとは違った角度で槍・穂高が見えて、「いいよ~いいよ~~!この角度もカッコいいよ~~~!!」とグラビアカメラマンかというような声を出して写真をパシャパシャとってしまいました。

 

樹林帯を抜けると、こういう岩場の尾根道になります。

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見晴らしもよく、巨大の恐竜の背中を歩いているような気分になるので、尾根道は大好きなのですが、ここの岩場はなかなかやっかいです。

 

というのも、森林限界を過ぎて木々がないので、岩にペンキで目印が付けてあるのですが、マークが薄くなっているものもあり、コース目印を見落としてコースを見失い、どうしても進めない、変だなあという岩場になって間違ったところにいることに気づく、ということが起こりやすいからです。わたしは実際ありました。

シーズン中で沢山人が歩いていればそういうこともないのですが、こうして前にも後ろにもほぼ人がいない中歩くときは、視野をひろく注意深くルートを探しながら歩くことが必要になります。

見晴らしはいいので、大まかに目指す常念岳の方角は見失わないのですが、岩場なのでコース外の岩はグラグラして不安定だったり、進むのに難しいルートなどをとってしまうと、脚をくじいたりなどのケガに繋がります。

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大げさかもしれないですが、わたしは“今ここで歩けなくなったら死ぬぞ!”くらいの緊張感をもって進みました。歩きやすい岩を通るルートは、細かく左右に触れるので、一つ近い場所の目印を見つけたら、遠くの二つ目の目印も探して方向をとりながら進むようにすると、そこから道の見失いはありませんでした。

 

そうして、精神力と体力を大幅に削られながら、ようやく常念岳山頂へ。2854m、百名山です。

15:00に到着。

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山頂は日が陰ってきたこともあり肌寒く、風も強く遮るものが何もないのでビュービュー吹いていました。

山頂の祠で、無事にケガなく、時間通りにここまで来れたことに感謝を伝えました。

ここから下ったところに常念小屋があるので、最後まで転ばないようにお願いしました。

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山頂から安曇野の町がよく見えます。そして、登ってきた側と反対のほうに下り始めると、常念小屋が見えました。

ここが今日の宿です。山小屋の赤い屋根が見えると、ホッとしますね。

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スピードあげて下ります。しかし浮石が多かったり、傾斜がきつかったりしてけっこう怖いです。

また、日陰のところなど岩のすき間には雪が残っていたりして、注意が必要でした。

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無事、16:00前に常念小屋到着。普段自分が山小屋で働いていて、「3時から4時のくらいには御到着お願いします」とお願いしている立場なので、ちゃんとルールを守れて到着できたことにホッとしました。

そして、蝶ヶ岳から常念岳を一気に歩けたことで、ちょっと自信がつきました。

 

部屋はこんな感じで、年上の女性と相部屋でした。

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夕ご飯はハンバーグがっつり。山の上で、温かいご飯とお味噌汁が食べられることの有り難さを、登山者の立場でしみじみ感じました。同席の方とワイワイ話して、みんな今日はどこから来たの~明日はどこへ向かうの~という話題で盛り上がり、常念岳へは安曇野の一ノ沢から登ってくる方が多いことを知りました。

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夜は消灯まで食堂前の本棚のところで、野口健さんの本を読んで静かに一人で過ごし、消灯後はヘッドライトを持って外に出てみました。

 

すると、もう零れんばかりの、満天の星空!!!スマホのカメラじゃ全然映らなかったのですが、あの美しさは自分の目で見ないと、あの澄み切った冷えた空気の中でみないと、わからないとおもいます。

 

自分が宇宙の中にいることを、実感をもって感じられるような、こんな山の中にいてこんな美しい星空を眺められて、この瞬間を味わえているなんて、なんて幸せなんだろうとおもえました。

いま、この瞬間、自分の全てに満足のいくような感覚です。

 

しばらく砂利の上にごろんと横になり、ただただ星を見上げました。

 

身体が冷えてきてようやく、部屋にもどり、敷いていた布団にもぐりこみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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